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ハイドラ 金原ひとみ

ものすご~く、好みの分かれる作家の一人だと思う。

私も彼女の作品は2作目。蛇にピアス以来。
たぶん一生ぜったい読まないであろう題材の小説もある。
これは、ちょっとやわらかそうだなあと思っておそるおそる手にした。

ハイドラハイドラ
(2007/04)
金原 ひとみ

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装丁が妊婦なんですよ。
だけど妊婦の話じゃなかった。
じゃあなんで妊婦なんだろう・・・・。

写真家の専属モデルであり、私生活でも密かに同棲をつづける早希。だが人形のような無機質さを求める男との暮らしに、次第に蝕まれてゆく。ある日、その閉ざされた部屋から彼女を引き出そうとする翳りのない男が現われるが……。堕ちてゆく痛みと無垢な愛への希求、自身への冷徹な眼差し。クールさと瑞々しさを湛えた、新境地を拓く傑作長篇。




一気読みです、まさに。
137ページ、1時間半くらいで読んでしまった。
読みだしたらもう目が離せなかった。
怒涛のストーリー展開があるわけではない、なんか事件が起こるわけでもない
この女の子の行く末を熱心に知りたいわけではない。
なのに目が離せない。


この人の書く主人公はどこか破たんしていて、感情移入できない。
だけど、それなのになぜか無視できない、見ないふりしてはいけない、と思わせるなにかがあって
それが目を離せない理由なんだと思う。

すごーく大雑把に、つたないことばで言ってしまうと
世の中のいろんな仕組み善も悪も絶対悪も分かっていて割り切って、
それらと平行線で暮らしていける男と
この世の中汚れてて、キレイになんてできるわけないって分かってるけれど
諦めたくないんだ、と心から思っている男との間で揺れ動くM体質の女。
(私が書くとどうしてこう陳腐になるんでしょう・・・)



でもね、なんともせつない話なのです。
この世には救いはないけど、つながることはできる、と思わせてくれる男のもとに
ずっといられない女。
彼女の気持ちなんて全然分からない。

1たす1は0だと思うようなゆがんだ人が、1たす1は2っていうような簡単な人間には
戻れない

というような文章がラストのほうにある。
私は、1たす1は2だ、と何の疑いもなく思えるタイプではないことは自覚してるけれど
1たす1だってたまには2じゃないときもあるんじゃないのぉ?くらいであって
こんなに歪んではいない。
でも、正解は分かっていても、1たす1は0だ、とどうしてもそっちに行ってしまう人はいて
そういう人たちには自分のその異常性をどこかで吐き出してバランスを
取らないといられないんだろう、とは思う。
私は違う、と否定しながらも、本当に違うと言い切れるかと問われると
ちょっとどきどきするのです。


それにしても、この人はどんどんすごくなってる。
久しぶりに読んでびっくりした。
きっとこの方は、生まれつきの作家なのでしょうね。脱帽。
作品を選ばないと狂気に偏りすぎてる時もあるけれど、この人の紡ぎだす言葉をまた読みたいと思う。
今の作品にあるような、若さゆえ、とも言える世界の狭さや生きにくさとが、
”社会”と融合してきたときに、
この人の作品がどう変わっていくのか変わっていかないのか、楽しみでもある。



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