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真鶴 川上弘美

「人の言ったことや本に書いてあることを自分の考えのようにそのまま言うことを
考えなしって言うんだって」

今朝の朝刊の川上弘美の小説に書かれていた言葉に

どき、だか

ズキ、だかしつつ

大好きな作家の紡ぎだす言葉に毎朝触れられる幸せに浸る最近。


さてやっぱりこの人のこの本は、記事を分けたいなあ、なんて思ったわけで。


真鶴 (文春文庫)真鶴 (文春文庫)
(2009/10/09)
川上 弘美

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文庫がつい先日出てたので、読んだすぐ後だったけれど急いで買ってしまった。

この人は装丁がいつも凝っていてかわいいので、
こんなにシンプルな装丁は珍しい。
でも、この話にはこのシンプルな感じがいいのかもしれない。
ただ、単行本のほうには、この表紙をめくるとりんご?すもも?の静物画が描いてあります。


失踪した夫を思いつつ、恋人の青茲と付き合う京は、夫、礼の日記に、「真鶴」という文字を見つける。“ついてくるもの”にひかれて「真鶴」へ向かう京。夫は「真鶴」にいるのか? 『文学界』連載を単行本化。




これねえ・・・・・実を言うと、川上作品で初めて、挫折しかかった。
彼女の文体は句読点の使い方などが独特なんだけど
この作品に限っては

「○○」といった。

じゃなくて

「○○」言った。

みたいに、助詞が極端に少なくなっていて

一文もものすごく短くて。
これが最初慣れるまで気になって仕方なかった。
でも結局、話の面白さに惹かれて読み進めてしまったわけだけど。

この文体にはきっと文学的な奥深い意図があるんでしょうけれど、
私にゃじぇんじぇんわかりましぇん。



で、これ・・・・打ちのめされました。

愛していた夫が失踪し、残された思春期の娘と、実母と暮らす主人公。
女三代の生活は、女の特性とか世代間の隔たりだとか、母と娘の微妙な関係というものを
リアルに浮き彫りにしていく。
また、失踪した夫との関係を、今の恋人との関係を通して愛の存在も浮き彫りにしていくけれど
そういうものに止まらず、『人間の絶対的な孤独』というものを
逃げずに、その闇に負けずに向き合った作品だと思います。

特に思春期を迎えて、だんだんと母親から自立してひとりの女性になっていく娘と
その母とのやりとりは、近い将来の自分を見ているようでドキドキする。
いつか、私の手元を離れていくんだ、というその思い。
成人した自分は、昨日と今日と私は連続した同じ自分だけど、
子供の昨日と今日と明日は違う。
昨日までできなかったことが今日できて、
そして同時に昨日までの子供はもうどこにもいなくて、二度と戻らなくて。

そういう思いを親は何度も味わうけれど、思春期ってもっともっとそこらへんの感情が
リアルだろうなあ。まぶしくてさびしくて戸惑って。

親になるってこんなことだとは知らなかった

というような意味の文章があるのだけれど、これ、本っ当~に同意。
いろんな意味で・・・。
子供を産んだことによって、強制的にあっという間に”親”になって
親になったとたんに、いろんなものを当然のように求められて規制されて。
それは決して不愉快なことじゃないんだけど、戸惑いも多いのよね。
親であることが居心地が悪いわけじゃないけど、それが全てにはなれないし。


というか私のヘタな文章読んでないでこれ読んでください・・・。笑

人間はどこまでいっても完全には同化できない。分かりあえない
というような、ちょっと絶望的な”真実”をついた作品だけど
読後感は決して悪くないです。甘くはないけれど、前向き。前向きってことば
この小説には陳腐だけれど、他に言葉を知りません。

きっと何度も読み返すであろう作品。
そして読み返すたびに、新しい読み方ができそうで楽しみです。

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*Comment

 

はじめまして。ほぼ日参いたしております。
ワタクシも今朝この一文にずきんとしました。久しぶりに楽しみな新聞の連載です。ただいまフランクフルトに在住中ですので、新刊なんてとてもとても。ですので毎日舐めるように川上さんの文章を堪能してます。真鶴は単行本化したときに買おうと思って、忙しさにとりまぎれていました。文庫化したんですね。あぁ読みたいです。
生まさよしも今年はいろんなところに出没したようで、本当に羨ましいです。
ドイツにいて無い物ねだりの日々です。15周年のときには一時帰国していたいと、心の底から、つくづく思いますね。
  • posted by らーら 
  • URL 
  • 2009.10/24 00:09分 
  • [Edit]

 

先日は拙ブログにコメントいただきありがとうございました。

うちも朝日新聞なんです!新聞小説ははじめのうちは読んでも、すぐ挫折してしまうことがほとんどなんですが、今回のは面白くって楽しみにしてます。
川上氏、読んだことなかったんです。
これからちょっと読んでみようかしら、と思ってます。
  • posted by やぶ 
  • URL 
  • 2009.10/24 21:50分 
  • [Edit]

らーらさん 

はじめまして!ほぼ日参だなんて・・・・いやあ、はるばるオサレなビールのおいしい国から、
なんかすみません。。。。
私も国際化したような気がしてすごく嬉しいです(ものすごベタベタな日本語ですが。)

フランクフルトでも日本と同じペースで新聞連載が読めるんですね。
すごいですねー。
でも、文庫とかは追いつかないんですね・・・アマゾンとかでもダメっすか・・・?
ああそれは切ないですね。本、読みたいですよね。送ってあげたい!笑

今年の生よしさん、一度もご覧になれなかったのでしょうか?
ほんと、切ないですね!なにがなくても、それは・・・・・。ないものねだりとはいえ、お察しします。泣
今彼は声の興がすごく乗ってるように思います。
だから今のうちにいろんなとこに出没して歌ってほしいなあーとファンとしては
思ってしまいます。
15周年、本人はなにもやらないつもりかもしれませんが(?)
きっと周りがほっておかないからとりあえずオーキャンくらいはあるんではないかと、
ぜひぜひ夏めがけて一時帰国がんばってください!

  • posted by ゆう 
  • URL 
  • 2009.10/26 21:31分 
  • [Edit]

やぶさん 

ああわざわざこちらまでおいでいただき有難うございます。
初コメするのにURLも残さず行くのってどうなのと思いあいさつついでに書き残してきましたが
かえって気を遣わせてしまいすみません。

あれ以来かなり快適なVISTA生活を送っています。
ありがとうございます・・・。

私も初めて読み続けられている新聞小説です。
川上さん、おもしろいですよーきっとやぶさん好きなんじゃないかと・・・なんとなく。
『真鶴』はちょっと濃いので、『センセイの鞄』や『古道具中野商店』あたりからどうでしょう。

またそちらにお邪魔しまーす。(って今日もお邪魔しましたが♪)

  • posted by ゆう 
  • URL 
  • 2009.10/26 21:38分 
  • [Edit]

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