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あたりまえの日常

昨日になってしまったけれど、1月17日は

あの、大震災が起こった日。



まさ友さんたちのブログを訪れていると


まさに現場で被害にあった方々が、


思い出したくないだろう、

痛い、辛い記憶を掘り起こして書かれているものに出会い


私も、ほんの少しだけの体験を書いておこうと思います。



あの日は広島も揺れた。


震度3とか4だったかな。


ごおおという地底からのうめき声のような地響きが鳴って、

めったに揺れない広島の地を揺らした。


朝のニュースではまだ暗いなか、


白い息を吐きながらレポーターが不安そうな顔でマイクを握り


「病院では○名の方が怪我をしたといって

いらしているということです」


とだけ伝えていた。


それが、仕事の合間に見た昼のニュースでは、

もうもうと立ち上がる煙をヘリコプターがとらえていた。


仕事から帰ると、火は収まるどころか勢いを増し

停電によって真っ暗になった神戸市内を

不気味な赤黒い炎が、不安定に照らしていた。



街中が燃えているようなあの映像は、忘れられない。




ほぼ全壊した銀行のビルのすぐ近くに、


うちの親戚の会社の事務所があった。


両親は、やっと連絡のついた親戚に

「何か困っていることはないか」と聞くと、


おじさんの持病の薬が手に入らないということで


震災から1か月ほど過ぎたころ、家族3人車に乗って、


医者に特別に処方してもらった薬を持って

広島から神戸に向かった。



もうすぐ1か月たつというのに、神戸市内には


そこらじゅうに自衛隊がいて、


被災地に入るために軽い検問をうけた。


街中をゆっくりと走った。


信号は大きくひんまがったまま全く機能しておらず、

自衛隊の手信号で私たちの車は進んだ。


電信柱が大きく傾いて今にも道路に倒れてきそうである。


そこらじゅうに看板が曲がったまま落ちている。


全壊しているビル、焼け落ちた家、

6階くらいから大きく傾いたままのビル。


すぐにでも頭上に落ちてきそうで、

車で通り過ぎながらも、

思わず身をかがめてしまうような景色の中、


その下を平然と歩くボランティアスタッフの姿があった。


片側2車線の道路の左側は、がれきでふさがっていた。


救援物資を積んだトラックがそこかしこを走ってゆく。

まるで、戦争映画のセットに入り込んだみたいだった。



事務所は、市内でももっとも被害の大きかった

地区のひとつにあった。



おじさんの事務所は、床が波打って



ドアが曲がって閉まらなくなっていた。


窓からは、何度もテレビで見た、

一瞬でがれきと化した銀行のビルが見えた。



それでもおじさんとその仕事仲間は


私たちの訪問に笑顔を作り


自分たちの事務所ビルが倒壊しなかったことを感謝し


温かなコーヒーでもてなしてくれた。




私のちっぽけな震災体験は、これだけ。


ほんの2,3分、大地が揺れただけで、


日常を当たり前のように送っている私たちの

住処が一瞬にして壊れてしまう。


生命の維持に必要なさまざまなものが寸断されてしまう。


人間の作り出した文明なんて

自然の脅威に対してはいくら時代が進んでも

決してかなうものではないのだと


思い知らされた経験だった。





この日の脅威は、風化させてはいけない。


日々、あたりまえのように夫は会社に行き

子どもたちは学校と幼稚園に行き


笑顔で帰ってくることを疑いもしないで


蛇口をひねれば水が出て


スイッチを入れれば電化製品が動き出し


スーパーに行けば余るほどの食品があり


家には何から食べないと腐ってしまうか

頭を悩ますほどの食品があり


冬は暖かく夏は涼しい快適な部屋で暮らし


好きな音楽を聴いて


どこにでも車で行き

具合が悪ければ医者に診てもらえる。


それらひとつひとつがすべて、


本当はこの不安定な地球の気候の中での


”奇跡”なんだってこと。


その奇跡に、私たちは毎日出会い、

そのことに大きな感謝をしなくてはいけないこと。

私はもう一度、胸にかみしめたい。


そんなありがたい世の中に生きながらも


不平不満がつい出てしまうから・・・・・。






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