ワタクシゴト。

好きなもの 思ったこと

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

青い鳥

青い鳥青い鳥
(2007/07)
重松 清

商品詳細を見る


村内先生は中学の臨時講師。言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。でも、先生は、授業よりもたいせつなことを教えてくれる。いじめ、自殺、学級崩壊、児童虐待…すべての孤独な魂にそっと寄り添う感動作。



泣ける、という帯をつけられることの多い作家さん。
もちろん名前は知ってたけれど、嫌いなの、そういう帯。
感動の少ない世の中で、安っぽい涙を流すために小説を読みたいわけじゃない。
というわけで今まで手にとったことのなかった人。

「大きくなったら、しげまつきよしさんのような作家さんになりたいです」

と、劇団の子がしゃべるような口調で、保護者も見てる全校集会で4年生の女の子が言ってたのを
聞いたのがきっかけ。
ほお、スゲーなあ、ケーキが嫌いなクセにパティシエになりたいと言ってるうちの娘と
同い年なのになんてしっかりしてるんだと思うと同時に、
子供でも読める小説があるんだなあ、一度読んでみようかなと思ってたところ
循環ブログでも紹介されていて面白そうだなと思ったのがこの本。

学校ものでした。
ちょっと油断して手にとってしまって1作目から、号泣。
文字通り号泣。読み始めたことを後悔してしまったくらい、ツボを押されまくりで
ウソのように泣いてしまいました。
止められなくて、一日で一気に読んでしまった・・・。じっくり読みたかったのに。

短編の連作になっていて、吃音症の村内先生ではなく、彼の生徒たちの目線から話は進む。
その目線がリアルで、なんともいじらしい。
彼らは学校で求められる集団から外れてしまった子たち。
父親が自殺してしまった子、先生の求めるままの”いい子”になれなくて事件を起こしてしまった子
”いじめ”と気づかずに、同級生を自殺未遂まで追い込んでしまった子、
学校で話すことのできない子、かつて不良だった教え子・・・

村内先生は、先生なのにうまくしゃべれない。
授業は何を言ってるか分からず、私語がとびかい授業にならない。
でも先生は、生徒たちが聞いていようが聞かなかろうが、
中学生の残酷さで先生のことを馬鹿にしようが、怒らず、ただ黙々と授業をする。
一言しゃべるのに、すごく時間がかかる。
でもだからこそ、その一言が思いをぎゅっと凝縮したような重く深みのある言葉で胸に迫る。
特に学校から求められる”普通”から外れてしまった子には村内先生の存在が力になる。
なぜなら、村内先生も”普通”のことが”普通”にできないはみ出た存在だから、共鳴する。
すぐに言葉がつっかえてしまって、顔が真っ赤になって、息を切らしながらしゃべる。
中年で格好悪くて、”普通”の生徒からバカにされていて、
自分でも自分のことをきちんと知っていて・・・そういう先生だから共鳴する。

村内先生は臨時講師、しかも2カ月とか3カ月とかしか学校にいない。
いろんな学校を転々として、はみ出してしまった子のそばにそっと寄り添う。
ただ、”そばにいる”。生徒は村内先生が”そばにいてくれる”ことで自分を取り戻していく。

いいなあ、こんな先生。
なんたってこの先生の能力をしっかり評価して受け入れている学校の姿勢がすごい。
というか教育委員会がすごいのか。
でも、本当にはいないだろうな。無理だろうな。規則がどうの、予算がどうので。

子供達は普通であることを求められる。教師から、クラスメイトから、親から。
健全なほうがいい、という正論をかざして。
でも身も心もすっきり健全な人間なんてどれだけいるんだ?人間ってそんなキレイなんだっけ?
もしいたとしたら、そんな人つまらない。
自分の中の不健全な部分にフタをして、表面上健全なフリをするほうがずっと不健全だ。
でも親は自分を棚にあげ、教師に完全なる健全を求め、教師は健全なフリをして、
子供達にもそれは求められ、純粋な彼らは大好きな大人たちの求めに応じようとする。
なんの疑問も抱かずに大人の求めるままの健全な姿でいられる子供達は幸せだ。
本当にそう思う。
彼らは、時にそれができない不器用な子を攻撃する。たまに守ってあげる、という方法で。
本人も無意識の、不健全な動機で。

ほんとうに怖いのは学校の外のほうだ、という記述がある。
でもね、学校の外のほうが生きやすいと私は思うよ。
学校は社会の縮図だけど、学校の外のほうがずっと世界は広いから。
いろんな人がいるっていうことを知って、いろんな大人がいるって知って、
合わない人と上手に距離を置いて付き合う術を身につける、その練習場だと思う、学校って。

自分の子供たちが、あの窮屈な学校に毎日通い、窮屈な思いをしてるのかなあと
思うとちょっとかわいそうになることがあります。
学校いやだー行きたくない、とよく言ってますが、そうだろうなあと思う。
それがきっと”健全”だよ。行きたくないと思いながらも行くのが”ふつう”。

と思ってたら、学校が好きか嫌いかアンケートで「あまり好きではない」に丸をつけた子は
クラスでうちの娘ただひとりだったと聞きびっくりした母です。みんな、好きなんだって。すごいなあ。

私はといえば、好きでも嫌いでもなかった。めんどくさくて嫌だったけど、
学校はとにかく行かなきゃいけないとこだと思ってたから毎日行ってた。好きとか嫌いとか聞かれたこともなかったし、考えたこともなかった。考えなくてもいいんじゃないか、とすら思う。

この本は中学生以上にならないと読めないだろうけど、小学生向けの話もあるらしい。
もしかしたら劇のセリフみたいに大ぜいの前でしげまつきよしになりたいと言ったあの子より、うちの娘が必要としてるかもしれないな、彼の本。

それにしても一番驚いたこと!


それは学校の黒板が日本全国すべて西にあるらしい、ということ!
知ってました?
窓が南側で廊下が北側。ぜーんぶそうなんだそうです。
なぜなら、右利きの人にとって日光が影にならないようにと考えられているそうです。
いやーおそるべき多数決社会。
まあ今となっては蛍光灯が真上についてるから関係ないけどね。

私はたいていクラスでひとりだけの左利きのマイノリティだったけれど、
左利きでよかったなあと最近しみじみ思います。マイノリティの気持ちがちょっこし分かるからね。
スポンサーサイト

*Comment

No title 

私も好きですこの本。
子供には絶対読んで欲しいなぁ。
黒板のこと。私もこの本で知りました。


是非「きよしこ」も読んでみてね。

  • posted by つばめ 
  • URL 
  • 2010.10/13 10:43分 
  • [Edit]

No title 

重松清さん~素直なわたし(笑)は、結構よみました!
青い鳥はそのなかでも、ベスト3に入るくらい好きな作品です!

わたしのなかでの、村内先生像はでっかくて、太ってて、目がほそくて、
ボソーーーとしたイメージ・・・・で、映画では、阿部寛がやってたんだよね!なんか、イメージ正反対で、、、、なんか、怖かった阿部ちゃん。

違うイメージといえば、重松さんの中でも、「愛妻日記」っていう作品。
友達から、図書館の本を又借りしたんだけど、図書館に返却いくのが、恥ずかしすぎた、、、作品!!!
大人版コバルトシリーズ(←しってる?)か!って、もろ官能小説だったんですが、、、、これ推薦図書かいている人とは到底おもえない一品です!

で、いちばん好きなのが「君のともだち」です。

>泣ける、という帯をつけられることの多い作家さん。

全くその通りの号泣ものなんですが、やっぱりそれだけじゃない。。。
こころのどっかが、解けていくような、、、、女の子のお母さんには、読んで欲しい一品です!
  • posted by ぴょん 
  • URL 
  • 2010.10/13 20:40分 
  • [Edit]

 

「学校があまり好きでない」に、クラスでただ一人○を付けたゆうさんの娘さん。
私、嬉しくなりました。教師や親を慮ることなく、自分を保ってるって、大拍手!
そんなふうに育ってきた娘さんと育てたゆうさん、素敵です。

私は自分自身が相当はみ出してるのに、子供には逸脱を恐れて、つい人並みを望んでしまいました。結局、はみ出しもんに育ってます…

ゆうさんは、子供さん達のはみ出しを、(時には迷いながらも)楽しもうとしてられる。
子育てって、すぐに息苦しくなってしまいますから、ゆうさんみたいな(て?ごめんなさい)方が保育士になられたら…これはすごくいい感じですよ!
がんばってくださいね。

「学校に行きたい」に○を付けた子供達…ホントに皆そうなのかな。ホントだったら勿論ニッコリですけれど。心は別の所にある子供もいるのしら…と考えたりします。
  • posted by しゅう 
  • URL 
  • 2010.10/14 14:18分 
  • [Edit]

No title 

何ヶ月か前に読んだよ
凹んでた時に読んで、涙した本です
私にもこんな人が側にいたらな~なんてちょっと思ってしまったり
この方の本は本当、幅広いです!
  • posted by ともぞう 
  • URL 
  • 2010.10/17 21:21分 
  • [Edit]

つばめさん 

そうですね、子供がこの本を必要なときに、ちゃんと手に取れる位置にあるといいなあって
思いました。

> 是非「きよしこ」も読んでみてね。

これ、読みたいと思ってたんだー!図書館で探してみます♪
  • posted by ゆう 
  • URL 
  • 2010.10/18 11:17分 
  • [Edit]

ぴょんさん 

そうそう、映画化したんだな、と、キャストを見て
見るのやめとこう、って思いました。笑
あべちゃん、かっこよすぎ・・・。
私の中では、小倉久寛さんみたいなイメージなんですよ、村内先生。
違いすぎ・・・・。

帯のせいで触手が伸びなかったけど、多くの人に愛されてるのが分かりました。
ちょっとハマったので、いろいろとぼちぼち読んでみようと思います。
君のともだち、ね、それと、なになに、愛妻日記!?
借りる借りる!笑

  • posted by ゆう 
  • URL 
  • 2010.10/18 11:24分 
  • [Edit]

しゅうさん 

> 「学校があまり好きでない」に、クラスでただ一人○を付けたゆうさんの娘さん。
> 私、嬉しくなりました。教師や親を慮ることなく、自分を保ってるって、大拍手!
> そんなふうに育ってきた娘さんと育てたゆうさん、素敵です。

ありがとうございます。
でもそんなすごいもんじゃないんです。(^^;)
ただガンコものでして。たしかに、娘は、教師や親を慮ることなく自分を保ってる、かも・・・。
でもホントいろいろ問題山積なんですよー。悩ましいところです。
ただ、そんなときだったからこそ、しゅうさんのコメント、すごく力になりました。嬉しかったです。

私って、かなり人より逸脱してるのかも、って、ほんとについ最近、やっと自覚しました。
(いまさら!?ってツッコミはナシで。)
それまで私は普通でみんなが普通じゃないの、って思ってたんですけど。笑
いろんなことにさら~っとなじんで生きられるほうがずっと楽だと、親は知ってるからつい
子供に”標準サイズ”を望んでしまうのかもしれないですね。
でも個人的には、はみだしてる子のほうがなんか面白くて好きかも・・・。

> 「学校に行きたい」に○を付けた子供達…ホントに皆そうなのかな。ホントだったら勿論ニッコリですけれど。心は別の所にある子供もいるのしら…と考えたりします。

そうなんですよね、ついそんなことを考えてしまう私はやっぱり逸脱者?笑
何になりたい?とか、なにが一番好き?とか学校楽しい?とかっていう質問を子供にするのって
けっこう嫌いなんです。子供もいろんな人に聞かれ慣れちゃってめんどくさくなって
「うんたのしい、みんな大好き!」ってわりといいかげんに答えてる気もするし。(^^;)
でも、今は学校で、子供達と親に対して、そういうこと聞かなきゃいけないって決まってるらしいですね。

私も、どういう選択肢があったのか分からないけど、みんな普通以上なんだなって
それはそれでびっくりしてしまいました。

先日BSフジでやってた10の世界っていう、世界中の10歳の子の暮らしを訪ね歩く番組を見てたんですけど、その中でいろいろインタビューがあって。
日本人の子って、自分のほんとうの気持ちを言うよりまえに、
なにかどこか”正解”を答えてるような気にもなりました。他の国の子は、本当にそう思ってるんだろうなーと思えたんですけど、日本の子はどこか人目を気にしてるような気がして。
本当の気持ちが言えない環境であるなら、さびしいですよね。
隠しても、違うフリをしていても、ウソはつけないもんなんですけどね、本当の気持ちって。

保育士・・・人の子だったら余計な腹も立たず冷静でいられるかなあ・・・。

>
> 私は自分自身が相当はみ出してるのに、子供には逸脱を恐れて、つい人並みを望んでしまいました。結局、はみ出しもんに育ってます…
>
> ゆうさんは、子供さん達のはみ出しを、(時には迷いながらも)楽しもうとしてられる。
> 子育てって、すぐに息苦しくなってしまいますから、ゆうさんみたいな(て?ごめんなさい)方が保育士になられたら…これはすごくいい感じですよ!
> がんばってくださいね。
>
  • posted by ゆう 
  • URL 
  • 2010.10/18 11:44分 
  • [Edit]

ともぞうさん 

そうそう、ともぞうさんのところで教えてもらったんだよー。
タイトル忘れちゃってたんだけど図書館で見かけて、ためしに借りてみたらどんぴしゃでした。
ほんとに、こんな人がいてくれたらいいなあ、
こういう人がきちんと活躍できる社会であり続けたらいいなあ。
また面白い本あったら教えてね♪
  • posted by ゆう 
  • URL 
  • 2010.10/18 11:46分 
  • [Edit]

*Comment_Post

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

プロフィール

ゆう

Author:ゆう

本日の名言

いつでも里親募集中

最新記事

検索フォーム

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。